04, 02. 2010 懐かしい洋菓子店


遥か西から見えていた大木は、東へ向うに連れて、多くのヤドリギが寄生しているのが見えた。左右共に眩しい雪原の間の道を進む。やがて道は、南北に走る道路に突き当たった。南へ曲り急坂を上る。構えの大きな邸宅があった、手入れの良い立派な庭木が植えられていた。塀から北へ張り出した松に、小さな松毬が沢山付いていた。



大木の見える通りを西へ戻る。南側には、学生を対象としていると思われるマンションが何棟も建ち並んでいた。針葉樹の間にある大木を見上げた。威勢良く張り出した枝に、大きなヤドリギが沢山付いていた。




東へ戻り、高い位置から北の団地の方角を見ると、東の沢が見えた。鉄道線路を越えるには、歩いて来た道を戻るか、更に東へ進んで、国道が立体交差で線路を越えた地点に出る必要がある。同じ道を戻るのは詰まらないので、東へ進むことにした。沢の東側には高速道路が走っているので、大きな道路を選ばないと橋は架かっていない。車の往来を眺めて見当を付けた。更に南の坂の上から、大型のトラックや車が頻繁にやって来る。その道を行けば、高速道路は越えられると判断した。坂を上り詰めると突き当りは原始林の北端で、道は左に曲がっていた。幅広い道が、真直ぐ東へ続いている。原始林に近い歩道を歩きたかったが、除雪されて居らず、住宅が建ち並ぶ北側の歩道を東へ進んだ。




高速道路に架かる橋を渡った。原始林は道路で断ち切られ、開発された農地や住宅地で、遥か南へ後退する。高くなった北の国道に、日用品の大型量販店の看板が見えて来た。左の住宅地を抜ければ、煉瓦工場の前の道を通って戻れる。北へ曲がろうとして、気が変わった。もう少し東にある店舗を思い出した。日高等に車で遠出をした帰りに立寄った洋菓子店。ケーキ類も美味しいが、夏は自家製のソフトクリームが美味しく、帰りがけによく立寄った。未だ日は高いので、南東の方角に当たる店舗に向うことにした。カリブーという名の店舗は、道道に繋がる白樺通りにある。暫く東へ進んで、白樺通りへ達した。道道に繋がる幹線道路なのに、歩道は除雪されているが、車道との間には雪の山が高くなっていた。白樺通りを南へ進んで、カリブーに着いた。店舗は以前と変わらぬ姿であった。




店へ入ると、客はいなかった。クリームを使用していない小さなケーキと紅茶を頼んで、奥の椅子に腰掛けた。準備が出来る迄、お店の方に許可を取って、写真を撮った。焼き菓子の種類も揃っていたので、未だ買い置きのものがあったが、少し買い込んだ。一休みして、住宅街を気分に任せて曲がりながら、国道が高くなっている位置を目指して戻った。陽は未だ高く、学校帰りの子供達の姿が見られた。





一夜明けた昨日は、飛切りの寒さだった。アトリエの窓は結氷で外が見えない程だった。午後から晴れるという予報だったので、午前中は陶筥や水差しを削って、陽射しを待った。予報通り正午を過ぎて陽が射して来た。時間を追うごとに天候が良くなり、陽射しを惜しんで仕事をしていたら、4時を過ぎてしまった。随分日が長くなって来ている。好天は持続していて、今朝は雲がない。南西の空に大きな半月が輝いている。窓ガラスには、氷の華。立春の今日も寒い。