20, 12. 2009 雪原


大きな流れで見ると、確実に地球温暖化が進み、異常気象を伴って被害も出ているのに、期待されたコペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約締約会議( COP15 )は、2大温室効果ガス排出国である米国と中国の参加は得られたものの、排出削減の義務づけなしのまま終ってしまった。目先の利益にとらわれていると、取り返しのつかぬ事態を招くのに、比較的温暖な温帯地方に多い先進国は腰が重い。

相変わらずの真冬日で、期待程の降雪ではなかったが、雪は融けない。午前の教室を終え、暫くは床面を使用する制作もないので、床を簡単に拭き掃除して、買物がてら散歩に出かけた。北東の三番通りのスーパーへの用事だったが、折角の新雪なので広い雪原を見ようと、更に北の四番通りを迂回することにした。家の直ぐ近くの南北に走る道路を北へ向う。足元の雪は、踏み固められず、片栗粉の様に軋んで崩れる。三番通りを越えて、更に北へ進む。四番通りの北側の歩道には、長い金属製のパネルが取り付けられていた。やがて積雪で下の空いている部分は雪で埋まり、春迄、石狩湾から太平洋岸へ吹き抜ける強い風を和らげる役目を果たす。広い雪原を見ようと、車道を渡って柵の北側へ出た。天空と東の空は晴れているが、札幌の西に連なる山々から、雪雲が沸き出す様に立ち上っていた。





所々、防風の柵が途切れている所があった。やがて降り積もる団地の排雪の場所や、農道の部分だった。枯れ色一色だった大地が白くなり、枯れ色に埋もれていた野草の姿が際だっていた。葉が黒く変色したヨモギが、茶色の種を付けている。ノラニンジンはすっかり色が抜けて、繊細な造形を見せていた。





四番通りへ戻って東へ進んだ。風はないが空気は冷たく、ピリリと引き締まっていた。