13, 12. 2009 大きな夕陽だったのに


沢からの帰り道、未だ通ったことのない道筋を選んで、北東の商店街へ向う。塀と道路の僅かな隙間に植えられたシバザクラが花を付けていた。細い枝を大きく伸ばした木があって、小さな赤い実を付けていた。余り葉は厚くはないが、常緑樹なのだろうか。何軒かのお宅で、お庭の針葉樹に電飾されているのを見かけたが、窓にクリスマスの飾りがあるお宅があった。門柱に冠る様に迫出したツルバラが、大きな実を付けていた。色を失い、黒ずんでいる世界では、赤い実に目が惹き付けられる。






塀から垂れ下がった葉の小さなツタが、青々としているお宅があった。ツタは秋の初めに、いち早く紅葉しているのをあちこちで見かけたが、全く紅葉していない。このまま冬を越すのかと訝った。南向きのお庭のお宅で、塀から張り出しているヒイラギナンテンを見付けた。ヒメアオキやツバキも植えられていた。広葉の常緑樹で冬を越せるのは、シャクナゲしかないと思い込んでいたので、今年は思いがけぬ経験をした。家に戻ってから図鑑で調べると、ヒイラギナンテンはヒマラヤ原産で、寒さにも耐えられそうなことが分かった。




生花店へ寄り、少し回り道をして小学校の傍のヤドリギを見上げる。この大きなヤドリギがアカミノヤドリギなら、何よりのクリスマスの装飾になるのだが、どうやら実は赤くはない種らしい。陽がすっかり傾いて、大きな夕陽が家並の奥に沈んで行った。

美しい夕焼けも見られたので、好天が続くことを期待したが、昨日は夜半からの雨が終日降り続いた。今朝外は未だ暗いが、雨は上がって、南東の低い位置に下弦の細い月が見える。先週持ち越しとなった2点の作品を仕上げてしまいたい。