04, 12. 2009 甥の仕事


昨日はうっすらと雪が降り積もり、気温の低い薄暗い一日となった。この時期としては当たり前の気温と天候ながら、冬晴れの後だけに、寒さと暗さが鬱陶しい。取りかかっていた2点を今週で仕上げてしまおうとしたが、今ひとつ調子が上がらない。今日の晴れの予報に期待して午前中で仕事を切り上げ、先日帰国した甥が置いていった自作の作品カタログにゆっくり目を通して過ごした。

'06年、ロンドンを訪れた折、甥は未だ学生で、最終学年に入ったところだった。パリから同行してくれていた2人の友人は、地方の都市やガーデニングを観たい意向だったので、ロンドン市内は殆ど独りで歩いて過ごした。テムズ河南岸のテート モダンを訪れ、マーク・ロスコの作品を堪能し、最上階の喫茶室のテラスに出ると、テムズ河の北岸が一望出来た。真下に見えるミレニアム橋の奥にあるセント・ポール大聖堂から東側は再開発が進む地域で、クレーンが林立していた。卒業後もロンドンに残って仕事をしたい希望を持っていた甥のことを考え、仕事の現場はあの辺になるのだろうかと眺めていた。




大所帯の設計事務所と聴いていたが、仕事も大きなプロジェクトが多かった。景気の良い産油国の仕事が多い。昨年のリーマン ショックが幾分の落ち着きを見せ始めていたら、ドバイのバブル崩壊がドバイ ショックを引き起して世界を震撼させ、円高が問題になっているが、その折ニュースで流された港湾施設の映像と同じプロジェクトも載せられていた。オランダやウズベキスタンでの仕事もあった。







3人の在住する福岡、掛川、江別の中を取って、関西空港から出発した旅だったが、関空の設計はレンゾ・ピアノだし、ロンドンのシティの東に周囲に全くそぐわずにょっきり姿を現した総ガラス張りの胡瓜の様な建造物はスイスの作家、発電所だった施設が改築された、眺めていたテート モダンも若手のスイスの作家の設計と聴いている。海外で活躍する日本人建築家も多い。世界は狭くなり、ボーダ レスになって来ているのを実感する。