13, 11. 2009 工房へ


風は少し冷たかったが、昨日は良く晴れて、外出が惜しまれる程の好天だった。今日の晴天の予報を期待して、仕事の段取りを付け、10時過ぎに家を出た。列車が札幌へ近付くにつれ、西に連なる山並みの頂きには雪が見えるものの、未だ葉を残している樹々が多いことに気付いた。山並みが更に近くなる琴似駅で降りると、その感は更に深まった。

街路樹のナナカマドが未だ葉を残していた。過日錦山天満宮で拾った大きな松毬を、植物園を一緒に散策したT さんに届けようと、区役所に隣接されたアパート入口にある郵便受けに松毬を入れようとしたが、郵便受けには鍵が掛かっていて、隙間はあるが、松毬が大き過ぎて入らない。仕方なく4階までエレベーターで昇り、部屋のブザーを押したが、反応がない。管理人にお願いしようかとも考えたが、小さな紙袋の中身は松毬なので、この様な物を持って行く物好きはあるまいと、ドアノブに紙袋を架けて戻った。

駅前通りに戻ると、琴似神社の境内の巨木は、未だ葉を残していた.南の突き当りに見える三角山を目指して歩く。何時も覗き見する薪ストーヴの店には、人の姿が見られなかったので、ガラスにカメラを付けて、写真を撮った。商店街を過ぎて住宅街に入ると、剪定された街路樹のハリエンジュから新芽が出ていた。庭ではとうに葉を落としているドウダンツツジが、未だ赤く燃えていた。山の麓を巡る車道のシラカバも、黄色く輝いていた。







車道を左手に折れ,急坂を上って漸く工房に辿り着く。工房入口のヤマボウシも未だ葉を付けていた。山沿いで雪は多いものの、石狩湾から太平洋へ風が吹き抜ける高台にある団地よりは、気候が温暖とみえる。工房の前には大きな燃料店のトラックが止まり、金網のコンテナーに入れられた薪をクレーンで物置に入れる作業をしていた。工房内の薪ストーヴは、柔らかな熱を放っていた。




K・K さんが陳列棚から、焼き上がった角皿を取り出して下さった。随分以前にマットの釉薬をかけたもの。焼成が特別なので、焼き上がりは遅れると言われていたが、頭から角皿のことが消えていたので、嬉しい驚きだった。グリーンがかったマットな仕上げに焼き上がっていた。内部のみに釉薬を施し、外側は釉薬を掛けなかったので、焼き締めにも似た風合いに出来上がっていた。盛り合わせる料理や和菓子の姿を思い浮かべながら、良い気分で釉薬がけを終えた。持参した白いレンゲショウマの種を差し上げたら、ドーナツ型の鉢を下さった。先日伺った折に、特注で20組の鉢を作られていたことを思い出した。余ったものだからと仰るので、有難く頂戴した。何を植え込むか、また愉しみが増えた。