15, 10. 2009 マンテマ再び


晴れ間は出るのだが、長続きせぬ天候が続いている。気温もじわじわ下がって来て、道北地方は、平地でも雪との予報が出た。今朝は良く晴れて、細い下弦の月が見えている。気温はかなり低い。

「そう云えば・・・」と、突然脈絡もなくその場の状況に関係のないことを、思い出す癖がある。何かに集中している折には出て来ないのだが、一段落してほっとした折が危ない。昨日も制作が一区切り付いて、気を緩めた折にやって来た。思い出したのは、9月の下旬の散歩で見かけたマンテマのこと。今日は、先週台風の接近と不意の来客で果たせなかった、K・Kさんの工房へ出かけ、その後友人と植物園界隈を歩く予定を立てているので、片付けておきたい雑事もあり、思い出した想念を押さえ込んだ。一旦出て来ると、中々しつこく、またアラジンのランプの精宜しく、むくむくと出て来る。あれから半月以上が経過している等と、正当性を主張し始める。仕方なく雑事を手早く片付け、晴れ間が広がった3時過ぎに、家の1軒東を南北に走る道路を北へ向った。

団地の外れの大きな車道を渡り、緩やかに傾斜し始めた道を下って、北海道盲学校迄辿り着く。高台はここ迄で、地形は急速に下降していて、北西には札幌の街並とその背後に連なる山々、北東側には高速道路の遥か奥に、厚田や留萌に続く山々が見渡せる。急勾配に下る道を北へ進もうとして、右手の畑が真っ白になっているのに、驚かされた。広大な畑一面は、白い寒冷紗の様な布で覆われていた。収穫が近いのか、過日には見受けられなかった緑色のプラスティックの箱が積上げられている。布を透かして見ると、中の作物は、サラダ菜の様だった。数日前から霜注意報が出ていたので、どうやら霜除けの為の布らしい。道端のイタドリは、すっかり黄変していた。




更に北へ進んで、道の右手に注意を向ける。もう花期は終盤のマンテマが、未だ花を付けていた。過日収拾した実はやはり未成熟で、茶色く朽ちて、種子を蓄えた小さな壷の様な実が見受けられた。点在するマンテマから、茶色に変じた実を拾集して戻った。これから咲く蕾もあったが、雪が来る前に結実出来るのだろうか。





盲学校迄戻ると、雪虫に出会った。庭でも一昨日出会ったが、雪が近いことを知らされる。ふわふわと浮かぶ様な飛翔ながら、姿は中々捉えられない。雪虫をご覧になったことがないMIXY友の為に、ピンボケの写真を2葉。盲学校の東側のナナカマドは、葉も実も真っ赤に色付いていた。葉は落ちてしまうが、実は春まで残り、野鳥の食料となる。




イタドリ  Polygonum cuspidantum タデ科
ナナカマド Sorbus commixta バラ科
マンテマ  Silene gallica var. quinquevulnera ナデシコ