31, 07. 2009 虫穴だらけのヤマブドウ


雨雲が切れ、久々の青空が覗いた昨日は、正午過ぎから良く晴れ上がった。過剰な雨の後の青空は、殊の外美しかった。思う様に外遊びが出来なかった猫達は、勇躍屋外に飛び出し、何度も出入りを繰り返した。3本の長いポールが設置された物干し台は、洗濯物で溢れた。週間予報にずらりと並んだお日様マークに、今度こそは“梅雨明け”を思わせた。一夜明けると、昨日の晴天が夢の中の出来事の様に、何時通りの雨の朝。風はないが、強い陽射しで立ち直ったルリタマアザミの茎が、また弧を描くのではと気に懸かる。

一仕事終えて、午後から日光浴と散歩を兼ねて買物に出かけた。ルートは過日廻った2つの公園を廻るコース。クリとヤマボウシのその後を見るのが目的。白樺公園には、晴天の夏休みなのに、子供達の姿はなかった。クリは殆ど花を落とし、あの濃厚な香りは失せていた。僅かに残った花房の傍に、一回り大きくなった毬を見付けた。このサイズでも少し離れると、毬は確認出来ない。公園を北に進み、ヤマボウシのあるお宅へ向かう。あの輝く様に咲き誇っていた大きな花が全て散って、すっかり様相が変わり、危うく通り過ぎてしまう程だった。公園にはみ出している枝を見上げると、少し表面に皺のある丸い実がぶら下がっているのが見付かった。目が慣れて来ると、多くの実を確認出来た。この先、緑の円い実がどの様に変化するのかが愉しみ。




更に公園を北に進んで、中央分離帯のある車道へ出る。満開だったシナノキは花を落とし、分離帯の芝と車道は、枯れた花びらで茶色く染まっていた。東へ進んで買物を済ませて戻ろうとすると、何時もは車に占領されているスペースががら空きで、金属のフェンスを通して、西側の空き地にある大きな白樺やポプラの根元が目に入った。ヤマブドウに混じって、艶のある葉に実を付けた植物があった。車道へ出ると、ファンスと空き地の柵の間に隙間があって、空き地へ入り込めた。大きな樹々に絡み付いているヤマブドウは、近くで見ると虫穴だらけだった。今年は庭の虫の害が酷いが、比べようもない凄まじさ。一方ヤマブドウと共に樹に絡まっている艶のある葉を持ち、円い実を付けた植物には、全く虫の害がない。酸味のある筈のヤマブドウを好んで食べる虫が多いということらしい。




帰りがけに通ったナナカマドの公園で、太いナナカマドの根元に階段状に生えた白いキノコを見付けた。買物の折屢々通る道ながら、この様なキノコは今迄目にしたことはない。長雨の置土産なのだろうか。公園を南に進むと、ニシキギが色付いているのを見付けた。数日前、庭のニシキギに出来た小さな実の写真を撮ったばかり。庭のニシキギは紅葉はせず、未だ緑のまま。帰宅して、実の付いた植物を図鑑で調べた。ブドウ科のサンカクヅルとアマヅルが良く似ていて迷ったが、アマヅルが南方の分布なので、サンカクヅルと同定した。アマヅルなら、秋には甘い実が生る筈なので、確認出来る。





クリ     Castanea crenata ブナ科
サンカクヅル Vitis flexuosa ブドウ科 別名 ギョウジャノミズ
ニシキギ   Euonymus alatus ニシキギ
ヤマブドウ  Vitis coignetiae ブドウ科
ヤマボウシ  Cornus kousa ミズキ科