06, 11. 2020 夕暮れの散歩

先日二戸建ての官舎の隣に住んで、その後弟の設計事務所に設計を依頼して団地に住んでいた教え子が、訪ねて来てくれた。今年50年を超えた住宅は、新たな家に生まれ変わっていたのを、散歩で知っていた。新築祝いとして小品を届けようと、昨日1時半過ぎに訪ねた。南の歩道脇の住宅が出来上がっていた。葉が小さく薄い藻モミジが、佳い色を見せていた。

居間と厨房がワンルームとなった開放的な気持ちの佳い空間だった。初めてお目にかかるご亭主が、旧満州の大連で過ごされた方で、遠い記憶を呼び覚まされ、つい長居をしてしまった。辞して戸外へ出ると、もう陽が傾いていた。緑地帯を北へ戻る。シラカバに寄生したヤドリギも、赤い陽を浴びていた。屋並みの向うに、大きな陽が落ちて行った。殆ど葉が落ちたしらかば公園を、北東に通り抜ける。西の空に、残照が見えていた。未だ緑の葉を残したモミジがあった。

戦後の世代が昭和12年の満州の旅を想定した、「満州鉄道まぼろし旅」という本をお借りして来たので、読むのを愉しみにしている。今朝は、昨日同様よく晴れて、気温が17度迄上がる予報が出ている。