03, 04. 2012 嵐の前は


前夜降り積った敷石の雪は程なく融けたが、昨日は風も強く、大きな量塊の雲の流れが速く、変わり易い天候となった。前日少し疲れて床磨きが出来なかったので、床を磨いて作品を貼り込んだ。生乾きになる迄縁止めの礬水も引けず、手持ち無沙汰で、春用の小振のバッグを作ることにした。例によって、残り革の活用。裁っておけば、空いた弛緩に縫い進められる。箱を作るのとさして変わらず、型紙は作らない。寸法のメモだけ用意する。最初の寸法表で形を入れたら、僅かに革が足りなかった。パズル宜しく、再度寸法を変えて入れ直す。何とか32×26cmのバッグのパーツの形を描き込んだ。

午後に入って雲が広がり、薄暗くなって来た。水張りした作品は、もう少し乾燥が必要なので、先に散歩に出ることにした。車道はアスファルトが現れ、歩道はシャーベット状態だった。緑地帯の遊歩道は、この先泥の川となる。住宅街を南東に進んだ。コノテガシワが大分姿を現していた。カロライナ・ジャスミンに似た黄色い花を付けるのが愉しみとなって来た。大きな黒雲が南へ去って、陽が射して来た。かなり暖かさが違う。




鉄道林前の道を東へ進む。道の北側の小公園の木立に、小鳥の姿が見られた。コガラ、ヤマガラシジュウカラの一団だった。





道が直角に曲がる、団地の東端まで進んでみた。この地点で、大きく弧を描きながら高さを増して来た国道が、線路と交差して北側に移る。道なりに北へ向い、ハルニレがある公園を覗いた。東の沢に続く窪地を利用した公園で、殆どの樹は造成後植えられたものだが、ハルニレだけは以前のものが残されている。公園内は未だ雪があって、近付くことは出来なかった。梢が煙っているので、花芽は出ているのだろう。公園の東側を迂回して、東の沢の西の道に入った。芽が固かったネコヤナギから銀毛が覗いていた。





もう少し沢に沿って北を廻りたかったが、時計を見ると作品の縁止めをした方が良い時間が近付いていた。住宅街を西へ戻る。実を多く下げたフジに、しっかりした赤い芽が出ていた。早い流れの雲が〓々陽を遮り、雲の端は虹色に輝いていた。彩雲は、気温が高くなると見られなくなる。




昨夜は半月が見えていたが、今朝は曇って強かった風が治まっている。台風並の強い低気圧の接近で、今日は荒れた天候になるらしい。嵐の前の静けさか。