04, 03. 2012 弥生の雪
昨日朝方の快晴は,長くは続かなかった。10時過ぎには薄雲が広がり,午後に入って雪が舞い始めた。時折止んでは,陽が射して来る。北西の風に運ばれる,低層を流れる雪雲の仕業だった。僅かでも春の兆しが見えてからの雪は,気が滅入る。
教室を済ませて床を磨き,和紙の作品を水張りする。陶の作業の段取りを付けて,夕食の素材を買い求めに出かけた。家を出た折は雪が酷かったが,東町公園の東の道を通る頃には、雪は小降になっていた。水分を多く含んだ雪が,前日の滑る歩道の滑り止めになっていた。一番通りを東へ向う。大雪だった昨冬でも、2月末には顔を出していたアパートの南のレンギョウの生垣が、全く姿を現していない。2月の低温が響いているものと思われる。
背から陽が射して来た。東の沢傍の小公園のケヤキの枝が、陽を受けて赤く光る。沢に沿って北へ進み,北風を避けて住宅街を北西へ向った。門から続く道の脇の雪の壁が、面白い行状を見せていた。玄関へ続く道はロードヒーティングが施されているので,積った雪は今冬の降雪の記録を示していることになる。
蕾を数多く付けたアセビが、重い雪の塊を乗せて塀から突き出ていた。ドウダンツツジの冬芽も鮮やかさを増して来ている。庭木のノムラカエデの枝も,赤味を増して来ていた。買物を済ませて戻る頃,空はまた暗くなり、雪が降っていた。
昨夜からずっと降り続いていたのか、今朝も雪が降っている。雪が融けてすっきり空が見えていたアトリエ前の梅の樹は、また雪を大量に乗せてしまった。10cm以上は積ったろうか。弥生の雪は気が滅入る。