24, 02. 2012 雪二態


気温が上がる予報が出ていた昨日は、朝方の晴れ間は持続しなかった。次第に薄雲が広がり、雲間から射す陽光で和紙の仕事を続けていたが、1時を過ぎて陽は途絶え、2時前には小雪が散らつき始めた。仕方なく色が前面に出る様に、たっぷりの礬水を引いてから、散歩に出かけた。風はなく、雪も緩んでいたが、もう厚みを増した雲で陽の位置は判らなかった。

排雪作業で垂直に削り取られた雪の壁の表面が暖気で融けて、柔かな表情を見せていた。プラスの気温になると、雪解けは早く進む。




北西を廻って来ようと、シラカバ公園を西に抜ける。迫り出していた雪の壁が削られたのと、暖気で融けて嵩が減ったので、雪から様々な植物が頭を出していた。秋に見事に実を付けていたノバラの赤い実が、雪に映えていた。晩秋に切詰めなかったのか、シュウメイギクの花の跡の実も出ていた。昨冬は、最初に降った大雪で塀から外れ、そのまま冬を越した木蔦も、今冬はしっかり竹で結わえられ、雪から覗いていた。





北の沢に押し出された雪を登って、池を見下ろす。対岸はアパート群と公園で雪を押し出す人もなく、水面に近い部分の土が見えていた。樹々の根元の雪も僅かに窪んで、根開けを想わせる状態になっていた。三番通りを越えて北の住宅街を東へ戻る。小公園にも雪を運び込む道が付けられていた。大分芽が膨らんだ桜の枝が、雪に捉えられていた。この角度なら、折れることはあるまい。住宅街の外れから見渡した原野は、雪で霞んでいた。






雪は降り止まず、今朝も降り続いている。大分嵩が減った庭の雪も、また元の木阿弥。頭を出していた植物達も、雪に埋もれてしまったことと思われる。