16, 12. 2011 白い魔


強い風が雲を運び去ったのか、昨日は10時前から青空が広がり、思いがけず明るい陽光の元で仕事が出来た。朝日新聞の朝刊に、津波に見舞われた陸前高田の海岸に、奇跡的に残った松が保存不能になっていたが、梢にあった松毬から採取した種子が発芽し、18本の苗が育っているとの記事が載っていた。10年後には定植出来るとのこと。残った松に勇気を与えられた人々も多かったことと思われるので、その分身で海岸が彩られるのは好ましい。

午後に入って、雲が広がり雪が舞い始めた。北の留萌には暴風雪 波浪注意報が出ていた。午前の作業を少し乾かす必要があったので、その間に駅前の銀行に出かけることにした。鍔を長目に作った野球帽を目深に冠り、首に巻いたマフラーを鼻の先まで持ち上げ、耳掛をして完全武装で出かけた。生垣のヒバにもイチイにも、雪が降り積っていた。結晶が大きいところをみると、余り気温は低くはないらしい。




シラカバ公園を南へ抜ける。東町公園の西を通り過ぎる頃には、雪は大分酷くなっていた。緑地帯を南へ抜け、鉄道林前の道に出た頃には、少し離れた位置が、霞む程になった。アンダーパスへ続く道を見下ろす。車はライトを点け、少しスピードを緩めて走行していた。昔登ったニセコアンヌプリで、山小屋が下に見える位置に、吹雪で遭難した慰霊碑が建っていたのを思い出した。





用件を済ませ、駅前のスーパーで買物をして外へ出ると、雪は小止みになって陽が射し始めていた。中央の沢の階段を通って沢を渡る。有難いことに、階段は除雪されていた。登りよりも下りの階段は、滑ると危ない。新雪で雪化粧した沢は美しかった。東の遊歩道から、傾き始めた大きな夕陽が見えていた。





明けて来た今朝は青空が見え、南西の空に半分程まで欠けた月が光っている。今日は寒波襲来で、真冬日に逆戻り。寒さは数日続くらしい。