19, 09. 2011 街路樹の様に 


長い雨雲の領域を露払いの様に列島の南に靡かせて、台風15号は未だ大東島の辺りを迷走している。南方の海上で発生した強い勢力を持つ低気圧は、駆け抜ける様に北上してやがて勢力が衰えるものと相場は決まっていたのに、今年の台風は何やら様子が可笑しい。昨夜は僅かに揺れを感じた。北海道の南の浦河付近で、地震が頻発しているのも気に懸かる。

雨は強くはなかったが、昨日は気温が下がった。もう半袖の衣服は必要あるまいと、洗濯機を仕掛けながら、衣服の入れ替えをした。1時過ぎに雨が小止みになって来たので、駅前のスーパーに買物に出かけた。歩き出す前に、庭を一回りする。気付かぬ内に、ジャノヒゲの実が、緑色から黒く変わって来ていた。ナツエビネは花序を立て、大分上まで花を開いていた。




前日色付いた林檎を見かけていたので、インドリンゴのあるお宅の前を通った。2本の林檎の樹は、未だ実に袋が掛けられたままだった。シラカバ公園を南に通り抜ける。落葉が歩道を埋めていた。一番通りの手前の住宅街を西に進む。庭で収穫したのだろうか。玄関前に、朱色の南瓜が飾られてあった。中央の沢近くの気に入りの庭の前では、数種のエゾノコンギクが雨で頭を垂れて咲いていた。沢の階段を下りて西へ抜ける。階段も歩道も、落葉で彩られていた。






買物を済ませて沢を渡り、東の遊歩道を北へ戻る。遊歩道に隣接するお宅の塀の前の植込みに、青みの強い紫色の花を見付けた。サルビアかと思ったが、根元にスドーセージと書かれた小さな名札が挿されてあった。直ぐ傍には、斑入りの葉のヤブランが植え込まれてあった。




二番通りを越えて、北の沢の遊歩道に入る。先日小さなクレーン車が入っていて通行止めになっていたが、遊歩道脇の樹々は、まるで街路樹の様に剪定されてしまっていた。今年は雪が多く随分樹が折れたが、口煩い住人から苦情でも出たのだろうか。ヤマブドウやサルナシが下がっていた樹も、良いだけ枝を詰められて、ヤマブドウもサルナシの姿はなかった。残された自然を享受するのではなく、邪魔者扱いする人々の気が知れない。




北の方では栗の毬が落ちて、一面に広がっていた。住宅街を東へ戻る。咲き出しの遅かったネムノキは、未だ花を付けていた。春一番早く花を付けたマンサクに、新芽が出ていた。来春の花芽なのだろうか。




今朝はまた一段と気温が下がって、ガラス窓が水滴で曇っている。今日の予想最高気温は17度。雨が熱気を洗い流してしまった。