10, 09. 2011 ナツエビネ


重陽節句の昨日は、朝から雨雲が垂れ込め、時折雨も降る薄暗い一日となった。ゴミの集荷に合わせて、咲き終わった花を切詰める。雨で庭に出ぬ間に、コバギボウシの花の跡が、大きな実になっていた。

遅れていたナツエビネが漸く開き始めた。2本見えていた花序が、3本に増えていた。昨年より一月近く遅れて、葉の生育も余り良くない。直ぐ右隣のシラネアオイの株が大きくなって、葉が陽を遮る様になって来たので、来春はシラネアオイを少し離そうと思っている。淡いピンクの花は、色も形も申し分ない。





午後から昨年個展を開いた画廊に出かけた。送られて来た案内状の写真では、余り魅力はなかったが、動画を展示する為に、昨年使用したTV受像機を貸してもらえないと打診があり、使用していないものなので構わないが、古いもので無闇に重いので、薄型の受像機の方が良いのではないかと返事をしたら、薄型の受像機を買求められて、専用の部屋を造られたとOさんから返事があり、今日で終る展覧会に出かけることにしたもの。昨年秋の蔦井さん姉妹の2人展以来の訪廊。

地下鉄の円山公園駅からバスで向った。画廊前の駐車場のスペースの奥に、大きな針葉樹が長い松毬を数多く下げていた。もう茶色に色付いているものもあった。昨年も会期中に見上げたオニグルミが実を付けていた。葉が黄色く色付き始めていた。展覧会は予想通り。隣の小さな会場の陶のオブジェの方が面白かった。





再び円山公園駅へ戻り、バスセンターまで地下鉄に乗って、市民ギャラリーを訪れる。こちらも、余り樹の進まぬ展覧会。高校時代の同級生が出品してらして、毎年招待状が送られて来る。ざっと流す様に見て彼女の作品を漸く見付け、書き送る感想の内容を考えて会場を出た。

市民ギャラリーから真直ぐ北へ向って歩く。未だ雪があった頃、丁度あの大震災のあった日に、初めて行くギャラリーを探してながら見かけた永山武四郎記念館に寄ろうと思ってのこと。大通公園を越えて北を見ると、道の突き当りにそれらしい緑の木立が見えた。北から見た印象よりも遥かに広い庭だった。南の裏庭から入園する形になる。樹々の大きさに驚いた。北の沢で見付けたコシアブラがあった。花が終り、実が生っていた。木造の下見板の住居があった。縁側に雨戸を送る戸袋が付いている。和洋折衷で、西側には窓を上下に開閉するフランス窓の洋間があった。ぐるりと反時計回りに廻る。北には昭和初期に併設された洋館。窓や出窓の装飾が面白かった。中学時代まで住んでいた、かっての材木商が建てた家を思い出し、懐かしかった。






突き当りが道庁になる北3条通りを西へ戻る。以前のビール会社など煉瓦建ての建造物が、彼方此方に残っている。創成川を越え、遠くからサルスベリのピンクが見えたので、立寄ってから駅に向った。未だ丸い蕾を沢山付けていた。最寄りの駅に着くと、5時を過ぎたばかりなのに、すっかり薄暗くなっていた。駅前のボウセツリンには、鴉の大群が、既にご帰還だった。



ナツエビネ Calanthe reflexa ラン科