16, 07. 2011 シナノキ 1


雨は上がっていたが曇り空の昨日、以前からお誘いを受けていた友人のお宅へ出かけた。春にお持ち頂いた植物が根付いたので、その後の様子をご覧下さいという洒落たお誘いだった。クラスは異なっていたが、小学校の3年間、中学、高校と同じ学校で過ごした。6年制の学校時代の美術担当の恩師の依頼で出かけた中小屋の分校でも、教師として赴任されていて、青春期に重なる体験が多く、同じ学校で学ばれた妹さんとも話がよく通じ合えた。

ご両親と住まわれていた広い敷地の土地に、お兄様と2軒の家を建てられ、ご兄妹で住まわれておいでになる。案内された庭は広く、以前からの樹という梨の樹には、小さな実が生っていた。お持ち頂いた植物には、丁寧に名札が付けられていた。シラネアオイとチョウジソウには、実が付いていた。窓から大きく見える藻岩山も、子供の頃から見慣れた角度、姿だったのが嬉しかった。帰り際、妹さんの部屋の窓からという写真を見せて頂いた。何と、窓の外には大きな角を持ったエゾシカの姿が写っていた。

帰りは、駅まで車で送って下さったが、中学時代まで住んでいた家の周辺は、変貌していた。マンションが押し寄せて来てはいるものの、幼少時から同じ土地に住まわれる幸せを思いながら戻った。

駅前で買物を済ませ、最寄りの駅に着いたら、バスの時間まで間があるので、散歩代わりに歩いて戻った。オオハナウドがすっかり枯れて、屹立していた。住宅街を戻る。塀の外の僅かなスペースに、オダマキに混じって、オオマツヨイグサが咲いていた。





寄生主のナナカマドの葉がすっかり切り取られ、アカミヤドリギの姿が露になっていた。小さな実が見受けられた。此処のお宅は、このヤドリギを大切にされておいでなのが伺われた。ノリウツギの花が開き始めていた。前日見かけた葉の小さなスモークツリーよりも少し大きな木が、花を一杯に付けていた。その奥には、葉の大きなスモークツリーも植えられていた。幹を低く切詰めて枝を伸ばしてあったが、花は付いていなかった。






野球の練習をしている小学生を見ながら、東町公園を斜めに抜ける。もう花期が終盤のヒメウツギの姿があった。二番通りを越えて、街路樹のシナノキを見上げた。花が開いていた。咲き始めの所為か、花が黄色く見える。盛大に花を開いていたのは此の1本のみで、他の樹々は未だ実の状態だった。腫れた空の元での花が愉しみになった。





シナノキ Tilia japonica シナノキ