13, 12. 2010 もう1本の柿の木


前日夕刻には夕焼けが見られたが、昨日は雲が広がり、7時前には雪が降り始めた。強い風で、降るというよりも雪片が横に流れる。午前中は溜っていた雑用をこなした。

発泡スチロールの函に保管してある陶筥の様子を見ると、蓋が丁度良い乾き具合になっていた。切り分けた蓋と身では、粘土の量が少ない蓋の乾燥が早く進む。乾くと言っても外側が僅かに乾いて安定した状態で、未だ水分は残っている。蓋の厚みの当たりを付けて、薄紙を剥ぐ様に少しずつ削っていく。無理な力を加えると、蓋に歪みがでてしまう。2時間程かけて、漸く蓋の内側を掘り出した。未だ柔らかい身の断面に蓋を押し当て、見当を付けた。陶筥の作成には、多大な時間を必要とする。時折雪が止んで、青空も広がるが長続きしない。散歩に出ようかと思ったが、2時を大分廻っていたのと、折から降り出した雪もあって、取り止めた。



一昨日教室の最中に、思いがけぬ話が出た。教室に通われておいでの方の斜め向いのお宅が更地となり、40年間全く気付かなかった柿の木が見える様になったとのことだった。此の方のお宅の場所は承知していて、屢々1本南の道を通る。ヒイラギナンテンのあるお宅の直ぐ傍になる。南に面した庭には、ツバキはあったが、柿の木は見ていない。教室後、掃除を済ませて出かけてみることにした。

風は強かったが、雨は止んでいた。東町公園を通り抜ける。市の保存木になっている大きなケヤキは、枝を一杯に広げ、どの方向から見ても姿が佳い。すっかり葉も実も落としたナナカマドの梢が、僅かに煙っていた。





何時も通る通りから、1本北の道へ入った。少し西へ歩くと、更地が現れた。その右奥のお宅の裏庭に、柿の木があった。余り大きな樹ではないのだが、実を数多く付けていた。更地は整地されていたので、足を踏み入れてみたが、雨の為にぬかるんでいた。近付くのは諦めた。佳い色に色付いているのに収穫されていないのは、渋柿なのだろうか。此の位置では、南の通りからは決して見えないし、更地になっている土地に住宅が建っていたら見ることは出来ない。




何時もは通らぬこの中通を真直ぐ西へ進んだ。モクレンだろうか。比較的木が小さいのに、実を沢山付けている木があった。中央の沢の東の遊歩道を北へ向う。遊歩道はカラマツの落葉で茶色に染まり、カラマツの陰が落ちていた。




二番通りを少し西へ進んで、北の沢の西の遊歩道に入った。陽が当たって気持ちが良い。遊歩道に覆い被さる様なズミの樹にも、冬芽が出始めていた。キタコブシの銀毛に包まれた冬芽が光っている。沢の下から伸びているこの樹は、20m近いのではないだろうか。キタコブシの樹皮には、白い斑紋がある。




三番通りから沢の東の遊歩道へ入った。過日枝が折れた樹は、未だ引揚げられず、裂け目が露になっていた。高い梢にカラスの巣があった。春に3羽の小ガラスを見かけたが、この巣で育ったものと見える。




昨夜は三日月が見えていたが、今朝は星が見えない。夜に晴れると気温が下がり、日中日照がないと気温が上がらぬので、都合の悪いサイクルで天候が推移している。3cmばかりの昨日の降雪が解けていないので、気温はかなり低いものと思われる。