04, 12. 2010 冬の温室 - 2 -


ウツボカズラは無惨な姿だったが、ランは最盛期だった。モデルに使用した鉢植のランが残ったものを、寝室の出窓に置いてあるが、此れ等もぽつぽつ咲き始めている。クンシランの様な長い葉のアーボフィルム・カルディアというランは、初めて見る花だった。ソプラリアというピンクのランも初見の花。葉が薄いのが気に入った。ドラクエ・キマエラという名称のランは、コウモリでも連想しそうな茶系の毛に包まれた異形のランだった。






一番奥の大きな部屋では、巨大なリュウゼツランが花を付けていた。ウチワサボテンの花の跡に赤い実が生っている。奇怪な形状のドラゴンフルーツは、サボテンの実と聴いたことがある。此の小さな赤い実は、どの様に変化するのだろうか。




温かい温室を廻って戸外へ出ると、風の冷たさが身にしみた。春浅い頃、コブシの街路樹があったことを思い出して立寄った。もう来春の花芽を数多く付けていた。今年の春は慌ただしくて、花が咲く時期に見られなかった。来春は、ビルの谷間で咲くコブシを見たいと思う。南へ向い、街路樹のプラタナスを見上げる。余り酷い剪定を受けておらず、高い梢に丸い実が残っていた。





更に南へ向い、大通公園を東へ向う。街路樹のイチョウから落ちたギンナンが踏まれて、異臭を放っていた。3時を僅かに過ぎたばかりなのに、陽が傾いて来た。西には夕映えが出始めた。テレビ塔近くのミュンヘン・クリスマス市は、未だクリスマス迄間がある所為か、閑散としていた。何故かマトリョーシカが並んだ出店があった。




バッグの寸法に合わせて、ファスナーを詰めて貰い、店を出た頃にはすっかり薄暗くなっていた。駅前の生花店で、淡いピンクのポインセチアの鉢を買求めて戻った。

昨日は低気圧の接近で、風雨のみならず、雷、霧、高波と警報や注意報のオンパレード。夕刻には風が少し治まったが、雨は降り続いた。買求めて来たファスナーを取り付け、バッグの仕上げに専念した。