03, 12. 2010 冬の温室 - 1 -


師走に入って、気温はむしろ上がって来ている。今日、明日と雨の予報が出ていて、予想気温もこの時期としては高い。今朝未だ雨は降っていないが、発達した低気圧の北上で、荒れ模様の天候になるらしい。

随分以前から、植物園の温室を覗こうと思いながら、果たせずにいた。3時の閉園なので、所用を済ませた後に立寄るのは難しい。昨日、ファスナーを買求めに札幌へ出かけたので、先に温室を覗き、買物を帰りがけにすることにした。道庁の北門から入り、西門へと抜けた。筵で包まれた冬囲いの樹々が並んでいる。丁度作業の最中だった。




植物園の本園は11月から閉園となって、明年ゴールデンウィーク頃の開園となる。葉を大分落としたカラマツが、最後の輝きを見せていた。バナナの花は終っていることを予想していたが、実も既に収穫済みだった。シコンノボタンも花期が終っていた。ジャワ原産のノボタンが、昨年より多くの蕾を付けていた。





時期が異なると、昨年気付かなかった植物に目が止まる。アナナスがピンクの花序から青紫色の花を開いていた。ベキラというパンヤ科の植物が、実を付けていた。この実の種子も、枕などの詰め物に使用されるのだろうか。キミノバンジロウは、昨年よりも実を数多く付けていた。





愉しみにしていたゲットウの花は、もう花期が終っていた。白く豊かな花弁は、朽ちて黄変していた。やはり最終盤のニオイバンマツリの香りが漂うA館を出て、B館へ向う。通路の竹の葉の青さが心地良かった。





B館最初の部屋のウツボカズラも、朽ち始めていた。少し厚みのある葉から、常緑植物なのではと思っていたが、そうではないらしい。朽ちた特異な形状の実の集積は、壮絶な感じだった。