16, 07. 2010 オオウバユリ


朝方は相変わらずの曇天だったが、昨日は10時前から青空が見え始めた。陰鬱さから開放されるだけでも有難い。湿度は高めで、陽が射すと蒸し暑くなった。残った4点の作品の包装をする。作品のサイズは、60号位から120号位と様々。サイズの大きなものはロール紙を貼り合わせる必要があり、時間がかかる。単調この上ない詰らぬ作業。

時折、気分転換に庭を廻る。カラマツの生垣の傍で、オオウバユリが開いていた。背丈が高くなるので、通路に近い部分に自然発芽したものは全て抜き取ってしまうので、必然的に庭の隅のものが育ち、3年程で花を付ける。野趣味豊かな夏花。




家の東側のツリガネニンジンも咲き始めた。こちらの方が株数が多く、見映えがする。セッコウボクの花の跡に、小さな実が出来始めた。写真を撮ろうとして、大きな幼虫を見付けた。枝を服足でしっかり挟み、上体を振って葉を食べている。セッコウボクの葉は美味しいのか、様々な幼虫が葉を食べてしまう。小さな火ばさみを持って来て、暫し虫捕りをした。捕えた幼虫は、土木工事をしている蟻にお任せする。突然降って来た食料に、蟻達が取り付く。どの様に伝達するのか、蟻の数が一気に増えた。





4点の作品の包装を終え、アトリエの隅に収納した。今回の個展で、また居住空間が狭まった。個展の礼状を刷るプリンターは入院中で、カタログも届くのは未だ先のことになり暫く作業が出来ないので、旅の支度を先に進めることにした。細々した日用の消耗品を買求めに、3時過ぎのバスで野幌のスーパー迄出かけた。軽く、小さな雑多なものばかりだったので、帰りは歩いて帰ることにした。国道から続く公園を北に向う。硝子工芸館の前庭は、見学に訪れた中学生で賑わっていた。二番通りを渡り、錦山天満宮の保存林に入る。巨木に絡んだ白い花は、遠くからイワガラミの様に見えたが、近付くと花弁は4枚で、ツルアジサイだった。小学校の前を通り抜け、グラウンドを越えて、三番通りに出る。更に北の教会前の広場にあるシナノキに花が咲いていた。大きな樹に似合わぬ繊細な花。もう少し北の植込みには、ツリバナが実を付けていた。僅かに色付き初めていた。





更に北へ進み、湯川公園に突き当たる。少し東へ進んで、正門から公園に入った。未だ雪のある時期に周囲を廻って眺めていた公園は、自然の地形を活かして整備された公園だった。緩やかな階段を下りてみる。沢の底には清流が流れていた。最も上流に当たる所に小さな池があった。水面は穏やかなのに、この池から勢いよく水が流れ出している。湧き水でも出ているのだろうか。木道を通って東へ向う。大きな葉が広がっていた。ミズバショウかと思ったが、葉の付き方が異なる様に思われた。流れはこの付近で消えていた。






東へ続く道もあったが、もう4時を過ぎていたので、北側の階段を上った。少し先が四番通りになっていた。草地の東の木立に、大きな樹に絡まった白い花が見えた。近付くと、イワガラミだった。樹のかなり上の方まで、花が咲いていた。公園内は涼しかったが、四番通りに出ると蒸し暑さが押し寄せた。西日が眩しい中を、団地を目指して歩き始めた。




オオウバユリ Cardiocrinum cordatum var. glehnii ユリ科