05, 01. 2010 雪原へ


今朝はかなり気温が低い。寒波の襲来のうえに、月が見えているので放射冷却が重なったものと思われる。1月上旬の気温としては特別低い気温ではないのだが、根雪になって以来気温が高めに推移していたので、寒さが堪える。天候は下り坂の様子だが、午前中は陽射しが望めそうなので、早めに仕事に入りたい。

良く晴れた昨日、新しい作品の為の和紙を水張りした。昨秋から年末にかけての作品は、強く切れ味良く仕上がったと思っているが、明度が低い作品が多くなってしまった。意図して明度を上げようと試みたが、結果は重めの作品となった。形状は理性でコントロール出来るが、色彩は感性と直結するものだけに、薄暗い日々が多かった気象条件の影響は免れなかった。冬至も過ぎて、僅かずつでも日が長くなり、陽射しも明るさを増して来るので、佳い条件の下で仕事を進めたい。

和紙の水張りを終え、礬水(どうさ)の準備に取りかかる。膠は、当初棒状のものを使用していたが、'90年代は、白山にある紙舗 直という和紙の専門店で板状の膠を見付け、取り寄せて使用していた。棒状の膠よりも色が薄く、青に影響を与えることが少なかった。近年は札幌の画材店に粒状の色の薄い膠が出ていて、これを使用している。小さな粒なので、比較的早く水に馴染んで扱い易い。下写真右下は、4時間程経過した膠の状態。火にかけて煮とかし、人肌位に冷めた段階で、乳鉢で擦り潰した明礬の粉末を加えて使用する。




水張りした和紙が乾き始め、和紙の白さを見せ始める頃、4辺の縁に礬水を施して、袋張りという方法で床面に固定する。施す礬水の幅は、和紙の大きさと種類によって異なる。サイズの大きな和紙は、縮む折の張力も強くなるので、10cm位の幅に礬水を刷毛で塗ることになる。和紙が生乾きの状態になる迄数時間は必要なので、書き足りなかった賀状を書き、北東にあるスーパーへ買物に出かけた。雪を満載したトラックが通り過ぎる。風もなく暖かなので、遠回りをして北の雪原へ向った。前日同様、上空と東の空は晴れているが、西は雲に覆われていた。雪原の一画で、トラックが荷台を上げて雪を下ろしているのが見える。雪が降って間もないので、雪捨て場の雪は低く狭い。札幌の西に続く山並みが何時もより高く見えた。雪が降るのが近いのかも知れない。






北側に防風と防雪のパネルが続く四番通りを東へ向う。農場近くの林で、僅かに残った赤い実を啄むヒヨドリの姿が見られた。縄張り意識の強いヒヨドリは、鳴き声もけたたましいが、絶えず争って騒々しい。




広大な農場を東西に分ける道を南へ曲がろうとして、気が変わった。時間は充分余裕があり暖かいので、以前から気になっていた更に東の雑木林を廻ることにした。