23, 11. 2009 初冬の青空


待望の快晴がやって来た。雲の隙間から覗く陽射しではなく、すかっと晴れ上がった初冬の青空。アトリエのかなり奥迄陽光が射し込んで、床の青が輝く。引いた絵具の乾きを待つ間がもどかしい。油絵具なら手加減で、下の絵具が乾いていなくても容易に上に絵具を乗せることが可能なのだが、和紙の支持体での水溶性の絵具では、それは叶わない。1時過ぎに引いた絵具の乾きが数時間はかかりそうなので、空いた床面に新たな和紙を水張りして、切れかかって来たハンドクリームを買いに出かけることにした。

厚手の和紙は、手指の油分を奪い去る。和紙に折り目を付ける作業を終えると、指先はかさ付いて、ヒリヒリと傷む程。庭仕事はなくなったが、和紙、布、革、陶土を相手に、手指の休まる時がないので、指先は何時も荒れ気味。油分の補給は欠かせない。南西の商店街にあるドラッグストアへ行くついでに、久々に中央の沢の南側を、半分程歩いて戻る事にした。商店街を抜け、住宅街を西へ真直ぐ進むと、中央の沢の南側に辿り着く。沢の東の遊歩道のカラマツが、葉を半ば落としていた。地面にはカラマツの落葉が降り積もっていた。樹間から青く光る水面が見えたので、少し遠回りをしてバス通りに出て、水面に映った青空を写した。





遊歩道へ戻り、南へ進む。池の南端に降りる階段には鎖が架けられ、通行禁止の赤い札が下がっていた。春迄、木道は通れなくなった。沢を渡る中央の階段迄進んだ。葉を落とした沢は静まり返り、団地に入る車道を行き交う車の姿が透けて見える。遊歩道を離れ東に戻ろうとしたら、芝生の上に子供が作ったのか、雪だるまが仲良く並んでいた。




遊歩道に近いヤマボウシのあるお宅へ廻って見た。他のお宅のヤマボウシは、大分以前に葉を落とし、枯れ木になっているのに、このお宅のヤマボウシは未だ葉を付けていた。地面には、柄の長い赤い実が落ちていた。




もう何処のお宅のバラも、ネットで包まれて冬囲いが済んでいるのに、未だ秋バラが姿を見せているお宅があった。最後の姿を惜しまれてのことかも知れない。雪の季節になったのに、建築中の現場があった。この時期の建築は、出来上りの見かけは同じでも、素材の乾燥が充分ではなく、余り望ましいことではないと、以前弟から聴いたことがある。




東へ進み、小学校の南側の公園に出た。夏には余り目立たなかった大きな樹が聳えている。近付くと立て札があって、市の保存木でケヤキとの説明があった。青空を背景に、佳い姿だった。



進路を北に替え、白樺公園を通って戻った。先週の陰鬱さはなく、白い幹が輝いていた。