20, 11. 2009 柿の木に出会った


今朝は気温がかなり低い。戸外は未だ暗いが、敷石が白くなっているので、雪が降り積もっているのが分かる。日中には融けてしまうだろうが、やがて地面の温度が下がると、降り積もった雪は融けなくなって根雪となる。根雪になれば、気温は低くなるものの、薄暗さからは解放される。

昨日午前中は、思いがけぬ晴れ間が出た。朝食後アタローは、勇躍外に飛び出して行った。一昨日の様に庭の匂いを嗅ぎ回ることもなく、直ぐに姿を消した。2時間以上経って、ガラス窓の前で入れて貰うのを待つアタローの姿があった。寒かったのか、鼻の頭を赤くしていた。

陽光を惜しんで、パーツ作りを続けた。パーツとは言え、縦は2mを超え、不定形ながら横幅も1mを超えている。小品の様に貼り合わせずに、独立したパーツを段差をつけて展示する予定。晴れ間は長くは続かず、午後にはすっかり薄暗くなった。仕方なく仕事は諦め、郵便物を出しに出かけた。雲は厚く、レモンイエロー・シトロンの弱々しい太陽が、時折顔を覗かせる。しっかり身支度をして出て来たので、コブシのその後も気になり、北の沢を廻って戻ることにした。葉をすっかり落としたコブシに未だ実は残っていたが、凍って黒くなっていた。実の上方が開いた様に見えるものもあったが、地面を見ても丸い実は落ちていなかった。少し時期が遅過ぎたのかも知れない。




西へ進んで、中央の沢へ辿り着く。冬枯れとなった沢は、西のアパート群が透けて見えて、一回り小さくなって見える。林に入り、池の写真を撮っていたら、小雪が降り始めた。北へ向い三番通りに出たが、風が強く冷たかったので、少し戻って住宅街の道を東に戻った。




初めて通る道だった。塀と道路の間の僅かな隙間に紅葉した植物が見えて近寄ると、ホウキグサだった。小学生の頃、夏休みのラジオ体操の後、このホウキグサを束ねたもので、町内の清掃をしたことを思い出した。ジグザグに道を採って南東に進む。この寒さの中、冬囲いをされているお宅があった。丸太と筵の昔ながらの冬囲い。少し東に、ベニシタンが赤い実を付けていた。






白樺公園が近付いた頃、収穫されずに木に残っている実を見付けた。林檎にしては小さいと良く見ると柿の実だった。充分色が付かず、未だ青い実もあった。



柿の木は当地では稀にしか見ることは出来ない。知っているのは、植物園の温室の傍の柿の木と、小樽の文学館へ降りる長い坂の右手の民家の柿の木のみ。実の生った姿は何度も見ているが、花の姿は知らない。本州のご出身の方のお宅なのだろうか。来春は、花を見る愉しみが出来た。