10, 11. 2009 冬支度


気温は予想程低くはなかったが、雲が低く垂れ込め、暗く陰鬱な一日だった。輝いていた青は重く沈み、気分も滅入って来る。色の微調整には不向きと考え、空いている床面に次の作品の為の和紙を、所狭しと水張りした。和紙と和紙の隙間は、僅かに15cm 程。床面は迷路の様になった。

昨日の日記に、MIXY に頂戴したコメントに返事を入れていて、不足のものがある事に気が付いた。春に手持ちの殆どの陶土を使い切り、この先は、5月にK・Kさんが訪ねて見えた折に運んで下さった磁器粘土を使用することになる。今迄、半磁器粘土は使用していたが、磁器粘土は初めての経験。乾燥が早いので、必ず発泡スチロールの箱に保管する様に云われていた。今迄も使用していたが、少しサイズが小さい。もう少し深めの大きな箱を用意しなければならない。水張りした和紙が乾く合間に箱を調達して来ることにした。

何時も伺う生花店のご主人から、大分以前に新しく開店された喫茶店の名刺を頂いていた。もう40年以上もこの地に住んでいるのに、情けないことに町名を見てもどちらの方角なのかさっぱり見当が付かない。Googleのマップに住所を打ち込んで地図を出したら、箱を調達する店舗から近いことが分かった。プリントアウトした地図を持って、更に暗さを増した午後、2つの用件を足しに出かけた。

大工道具や生活用品の大型販売店は、南東の方向に当たる。ナナカマドの公園を通り抜け、バス通りを渡って南へ進む。街路樹のプラタナスが、未だ葉を残していた。以前の地主だったと思われる2軒のお宅に隣接した広い区画には、アスパラガスが赤い実を付けて倒されていた。レース模様の様に葉に穴の開いたキャベツが、未収穫のまま残っていた。もう1軒のお宅の畑には、白菜とキャベツが2畝ずつ残されていた。こちらのキャベツは最初のお宅のもの程、穴が開いてはいなかった。






小学校の前の道路を、真直ぐ東へ向う。東の沢を超え、煉瓦工場を通り過ぎると、間もなく道は大きくカーヴして来た国道と合流する。国道を渡り、少し東へ向った位置に、大型量販店がある。駐車場を通り抜け、入口前の賑々しさに驚いた。カラフルな様々な種類の除雪用具が、勢揃いしていた。




目当ての発泡スチロールの箱は直ぐに見付かった。指1本でも吊り下げられる程軽いが、嵩張って持ち歩きには向かない。配達を依頼したら、料金が必要とのことだったので、ついでに柄の長い剪定鋏も買い入れて、届けて頂くことにした。15年程使用していた長い剪定鋏は、バネが毀れて使い難くなっていた。バッグから地図を取り出し、北へ向う。生花店の支店は、団地を通るバス通りを、東に向った位置にあった。歩道から駐車場を兼ねた広い敷地の奥に、可愛らしい感じの生花店と喫茶店が繋がった店舗があった、以前生花店にいらした2人の若い女性がいらした。ウィンザーチェアーの置かれた喫茶スペースで、紅茶をお願いして一息ついた。バス通りから大分奥まっているので、車の往来も余り気にならない。団地の周辺には喫茶店の数が余りないので、若い世代向けの店舗ながら、場所を頭に入れておくと、遠出をした折には都合が良さそう。




バス通りを西へ戻る。東の沢の公園は落葉が進み、沢の西の住宅が透けて見えていた。夏には見えなかった、甥が子供の頃に、エゾサンショウウオを捕った小川が、両岸を整備された溝となって見えていた。3時を僅かに廻ったばかりなのに夕暮れの様に暗くなり、今にも雨が落ちて来そうな空模様の中を家へ戻った。



今日も曇天。日記の作成中に、大粒の雨が落ちて来た。寒気が入って来て、この雨が雪に変わるのだろう。年末迄は、この陰鬱な薄暗さとの闘いになる。鬱気分に落ち込まぬ様に、コントロールが重要となる。