01, 11. 2009 庭の貌(かお)


昨日午前中は薄日も漏れていたが、午後は薄暗くなり夕刻を過ぎて雨が降り出した。雪の予報が出ていたので、蘭やシコンノボタン等の鉢を屋内に入れた。今朝屋外は未だ暗いが、敷石は黒く濡れ、雪が降った様子はない。長い間雪に閉ざされるのだから、降雪は遅い方が良い。

昨年MIXYというNetで、庭の植物を中心に植物日誌を始めた。父が遺した膨大な数の鉢植を定植し、数種の花木を入れ、好きな山野草を植え込んで庭を造り直してから15年程が経過していた。随分種類も増えた植物を記録しておこうという目的もあって、原則として1日1種、植物図鑑の様な様式で纏めた。2年目に入り、植物との出会いを中心に纏めようと考えた。庭仕事も制作も屈んでする時間が長く、運動量は少ないが、膝や腰に負担がかかる。体育系は不得手で何も出来ないが、歩くのには技術は要らない。以前から好天で時間に余裕のある時には、乗物を使用せずに歩くようにしていたので、散歩での植物との出会いを入れて、膨らませることにした。

余り遠出の機会はなかったが、今年も随分歩いた。プライバシーの確保を理念として設計された団地は、通り抜け出来る道が極端に少なく、行き止りの道があって迷路の様になっている。長く居住していると、効率よく通り抜けられる道を覚え、必然的に通る道は決まってしまう。同じ道筋を辿らぬ様に敢えて遠回りをして,随分色々な植物との出会いが生まれた。

数多くのお庭を見て回ると、庭の主導権をご夫婦のどちらがお持ちなのかが見えて来る。庭にも貌(かお)があって、言わば男性型の庭、女性型の庭、ご夫婦共同で造られる混合型に大別される。独断と偏見で大別すると、男性型の庭は、樹木を中心とした庭で、その多くは草花が植えられておらず、樹木の剪定や手入れも専門家に委ねているケースが多い。構成的にもきっちりと纏まっている。このタイプで、奥さんが園芸に興味を持たれると、そのせめぎ合いは、塀と道路の間の僅かな隙間に集中する。賑やかな色の庭に全くそぐわない草花が、塀の前を彩ることになる。このタイプでの成功例は、キレンゲショウマをこの隙間に植えて居られた1軒のみ。大半は、無惨な結果を招いている。過日お邪魔した小樽の友人宅は、前庭と奥深い裏庭を上手に分けて成功していた。





一方女性型の庭は、バラや色とりどりの花が中心となる。言わばガーデニングというカタカナ表記のものとなる。制作の合間にふらりと庭に出て、気分に任せて手入れをする様ないい加減な庭仕事ではなく、服装から全く異なる。日よけの帽子、夏でも日焼けを避ける為の長袖のブラウス、丈の長いエプロンと、姿がキマッている。




さて、その様な目で見ると、同じ様な山野草が好みの陶芸家のK・Kさんのお庭や我家の庭は、中性的ということになるのかも知れない。