25, 07. 2009 オオウバユリ


曇り空ながら僅かに気温が上がった昨日午後、バスで駅前にある銀行迄出かけた。来年の個展の会場であるギャラリー門馬で来月開催予定の、及川恒平とウォン・ウィンツァンのコンサートのティケット代金を送金する為。一昨年のテンポラリー・スペースでの個展の折、画廊主のN 氏が会場に流して下さった音楽の中で、大きな広がりを持つウォン・ウィンツァンの『九寨溝』という曲が気に入って、後半の1週間はこの曲ばかりを聴いて過ごした。会期後CDを求めて、動画の作成に取りかかったが、昨年早春の個展と夏の版画展が入り、中断していた。2年を経て、円環が閉じた様に感じられ、夏の宵のコンサートへ出かけることにした。

今日使用するモデルの花を求める用事があったので、帰りは中央の沢の南側と東側を廻って戻る事にした。沢の南側は、大きく背丈を伸ばしたオオイタドリが生い茂り、斜面の北側は全く見えなかった。沢の東側の遊歩道を北へ進むと、クマザサの薮の中に、ヒヨドリバナが咲いていた。庭のヒヨドリバナとほぼ同じ位の開き加減。




更に北へ進むと、沢へ下りる階段の近くで、ヒバの生垣から頭を出しているオオウバユリを見付けた。庭のオオウバユリは数日前に散ってしまっていたので全く期待していなかったが、鬱蒼と緑が繁っている場所なので、開花期が幾分遅れているのかも知れない。沢へは下りずに北進する予定だったが、春のオオウバユリの芽を思い出し、沢へ下りることにした。大木の根元で、咲いているオオウバユリを見付けた。




春には水がなかった流れには水が流れ、通行止めになっていた木道も通行可能になっていた。写真を撮っていると虫取りをしていた子供達が寄って来て、獲物のトンボを見せてくれた。夏休みかと尋ねたら、明日からと嬉しそうに答えた。子供の頃、カラスノミと呼んでいた赤い実も見付けた。赤くなる前の緑の固い実を細い竹に詰めて、豆鉄砲を作ったことを思い出した。





木道の両側には、キツリフネが咲いていた。栽培花のピンクのツリフネソウは、あちこちのお庭で良く目にするが、キツリフネに出合ったのは、随分久し振りのこと。南にある大きな池の所で木道は行き止りになり、右手にある丸太が組み込まれた急な階段を登ると、階段の左端に、ササバギンランが斜めになって咲いていた。根が見えているのでそっとつまみ上げると、根は階段の丸太の隙間を通り、右手の薮に繋がっていることが分かった。薮で咲いていれば良いものを、わざわざ遠征して階段の反対側に出て来るとは。根に腐葉土を多めにかけて、踏まれたり引き抜かれないことを願って戻った。




オオウバユリ  Cardiocrinum cordatum var. glehnii ユリ科
キツリフネ   Impatiens noli-tangere ツリフネソウ科
ササバギンラン Cephalanthera longibracteata ラン科
ヒヨドリバナ  Eupatorium glehnii キク科